浄土真宗のお盆の迎え方

夏が近づくとお盆を迎えるにあたり、家のお仏壇のお荘厳(お飾り)を何か特別なものにしなければと思われる方が多いようです。お仏壇の横に精霊棚をもうけたり、割り箸を刺したナスやキュウリを先祖の霊の乗り物に見立てたり、提灯を吊るしたりいたします。しかし、浄土真宗ではこの様なお荘厳はいたしません。俗にお盆は、死者の御霊があの世からこの世へ帰ってくる日だと言われています。しかし、阿弥陀仏のみ教えに生きる者にとって死者の御霊は迷いの存在ではなく、私たちを正しい方向へ導いてくださる仏さまとなって、いつでもどこでも私たちのおそばにいてくださいます。ですから、特別に何かをしてお迎えしなければならないというわけではないのです。 ただし、お盆は結婚や就職で家を離れていた家族が久々に集い、今は亡き家族を偲び、手を合わせる絶好の機縁ですから、浄土真宗のみ教えを理解した上でお盆の期間に追悼法要を勤めるということは悪いことではありません。お勤めしようと思われる方はお仏壇のお花やお供え物を普段より丁寧に飾りつけるぐらいの心づもりでよろしいでしょう。浄土真宗にとってお盆は特別な期間ではなく、日々合掌、日々礼拝が大切なのです。

2024年07月10日